2006年6月5日 静岡県伊豆松崎町 オプセル社近くでのジャンクションさん (左はボーグ山本)

Borgman Report 2007_5_10


by 齋藤 俊広さん  (Junction from Niigata)



5月9日


山本さん、こんにちは。

昨夜、条件も良かったのでsukekiyoさんと久しぶりにサーフ探索してきました。
思った以上に立ちこんでも冷たくなく、水温の上昇を体感し期待感が。

開始一時間くらいでsukekiyoさんにアタリ。
私はルアーローテーション繰り返すもアタリも無く焦り始めたところに明らかなショートバイト。
残念ながらノルアタリでは無く、さらに時間だけが、、、、

イメージとしてはカレントにルアーを乗せドリフトさせながら流れの境目でルアーはスライド、たまらずドン!

たぶんそのイメージで喰い損ねた魚がルアーを追ってきたのでしょう、イメージよりはだいぶ手前で思いっきりバイト。
1月以来のシーバスをなんとか手に出来ました。
ルアーは残念ながら他社製品、ローテーションをしていたなかでsukekiyoさんにも私にもアタリがあったルアーでした。



キモは水面直下のレンジと思い込み、ファルコン SB/SSをさらにロッドを立ててレンジを意識。
なんと、再開後一投目でヨミ通りの場所でヒット!
えらい引くのでちょっと良いサイズ?と、期待しましたが、、、、


ご覧のとおりの場所にフッキングしていました。




しかし、私はこのスレ掛かりを恥ずかしい事とは考えていません。
明らかなファーストアタック後に反転したタイミングと私のフッキング動作が重なったための掛かりでありボーっとしていた魚を引っ掛けたものでは無いから
です。
むしろファルコンであったがためにランンディングまで持ち込めた例なのでしょうか?



いろんなヒットパターンを目撃している山本さんの感想も聞かせていただけると今後の参考にもなりますが。

すでに昨年オーダーさせていただいたSB/SSは私にとってサーフでは外せないルアーとなっています。
カラーはもちろんjunctionチャートです。
ちょっと川の濁りの影響のあるサーフなどにはもってこいのカラーだと思います。



また、その後 ちょっと焦ってた(笑)sukekiyoさんにも見事ヒット!


ヒットルアーはスカイパスのシンペン/オールナイトダイヤだった事も報告させていただきます。



☆ 斎藤俊広 ☆



ジャンクションさん

レポありがとうございます!
お久しぶりですね!

ジャンクションさんのホームページでも拝見しましたがモニター専属されていた
ケイズラボを退かれたとのことです。
大きな決断をされたのだと思いますが釣りを楽しめる環境が得られるなら何よりです。
辛い場面があったとしても楽しさの中で完結し進んでゆけるなら最高ですよね。
私のようにテスターさんやボーグ・マンの皆さんにアイテムを試し、あるいは楽しんで頂く立場にあるものとして、現場の皆さんと本気で交信させてもらえないのであればいいメカにも釣法にも出会えないんじゃないかと思うんですね。
良い転機になればいいですね。



まずはナイスボディーのシーバスランディングおめでとうございます!
sukekiyoさんもご無沙汰しておりますが、見事シン・ペン・ヒットをゲットされましたね!
おめでとうございます!

さて今回のジャンクションさんヒットはスレ掛かりでした。
スレ掛かりはエラ洗いも殆ど無いですし、泳ぐでかいバイブレーションに引っ張りまわされるような状態で、あれはよく引きますね。
ジャンクションさん「入道ヒット!」と思われたんじゃないでしょうか?
サイズは分かりませんが綺麗な魚体ですね。




レポ内でご質問頂きました事についてお答えしたいです。
ショートバイトやスレ掛かりといったこのファジーな魚信の背景は複雑ですよね。
それへの私の所見は平鱸での目視経験からの推論なのですが・・・書かせて頂きますね。
どう読み解かれますか?

スレランといえば先月4月25日の下の画像のように私もやってますよ(笑)

ユニットは離脱せず、ジャンクションさんの例とほぼ同じく背中の肩口に掛かってます。 
携帯カメラ画像


ビデオの一こま

久しぶりに活性が上がったはずのその日だったのですが河川全体で釣れたのは確認できた限りでも2尾。
その2尾も私のオスプレイ90ジャックHSにスレで掛かりそのままランディングされた2尾のみでした(もう一尾も同じ状態)。
この模様は対岸でキャスしていたアングラー2名が確認しています。

伊豆の那賀川は昨年夏の爆釣で近県まで広く注目されました。
以後、各地からの遠征組を含め頻繁なアタックを受け続けています。
個体数が減ったと同時に非常にスレが進んでいる状況。

それでこのスレフッキングが起こったと考えられました。
それでも釣れたのはマシなことで、より強いエラアタックがあったからこそのランディングだったと思います。

ジャンクションさんのランディングも完全バイトすれすれの強いリアクションノックだったためにフックが乗り、クラッチフッキングがセットされ、釣れたのだと思います。
アタリを感じてからのアワセですから「引っ掛け」とは明らかに違うものです。
「引っ掛け」はアタリに関係なく針で水を掻きむしって行きますからね、ひどいものです。
その実態は間近でよく見て知っています。




さて、よく耳にする
ショートバイトってどんなふうに起こっていると思いますか?
まずショートバイトって「口から届けられる魚信」だと思いますか?

私は噛んでいない魚信、
エラ蓋から来る魚信、だと思っています。

アタリが小さく伝えられることはあっても
「小さく噛む、」というケースはほとんど無いのだと思います。
また、よく言われる「噛み損ねる」というのも実は殆ど無いとも考えています。
まず
「バイトという動き」がベイトを完全捕獲することを目的として完成された一連の動きだと仮定すれば、そこに微妙な調節を加えることは不利益をもたらすと考えられます。
というのも尾のひと振りによる一瞬の高速前進、それと共に炸裂する激しい吸い込み水流、さらに直後の口閉じと大反転、等どれか一つを萎縮させても無意味になる爆発的な動きだからです。
ボクシングでもよどみなく力を抜いて開放されたフォームから炸裂するパンチが最高の威力を発揮するといいますね。
ですからそこに調節を加えることはフォームを狂わせ威力を減衰させ、それを追い求めれば本能を損傷させかねませんね。

そんな微妙な調節ををするよりもエラ蓋にある尖った武器で「興味深くかつ心配なもの、つまりルアー」(笑)を調べたほうが安全なはずです。
その尖った武器は強い構造ですからね。
使わない手はありません。
皆さんも素手じゃなくボガで掴みますよね?(笑)
シーバスもおんなじ気持ちでしょう。

また、
大きなアタリか小さなアタリかも完全バイトの根拠にはなりえません
例えば真後ろからテイルを吸い込むヒットではシーバスが吸い込み水流を放つためのエネルギーは大きいはずです。
しかしアングラーに伝わってくるアタリの衝撃は小さいのです。
やはり、アタリの大きさから完全バイトであるかどうかを判定することは難しいのですね。


どんなときにショートバイトは起こる?
ショートバイトは完全バイトに至るほどには食い気が十分でないときにルアーの泳ぎに興味を持った場合などに様子をみるために起こるようです。
また着水音に驚いて反射的に攻撃を仕掛けているケースもありえなくはありません。
さらにはエラアタックを掛けておけば運良くベイトなら衝撃で弱りフラフラになりますから後でゆっくりと食べることもできるでしょう。
知人は稚鮎の群れを川岸に追い詰め、エラではたいて弱ったものを食べているシーバスの群れを見たことがあるそうです。
このようにシーバスはエラ蓋のとげを使って対象物をノックしてゆくことがあるようです。

そうしてみますとショートバイトというのは
バイトという表現を含みますが実はバイトには属さない、つまり「噛んでない魚信」である疑いが濃いのです。
口以外の魚体を使って行う一種のリアクションノック、それがショートバイトだと思う山本です。
つまり訂正が許されるならショートバイトの多くの実態を伝える表現として
「エラブロー」、もしくは「エラアタック」または「クエスチョンノック」と表記すべきだと思っています。

なぜエラアタックをするのか?
口を使わずにターゲットを攻撃(チェック)してゆくもっとも大きな理由は口を使うことが鱸の生存に関わる行為だからでしょう。
平たく言えば悪いものを口にすればアタル(笑)かもしれないからです。

ですから噛んでしまう前にチェックする機能が用意されていることは必然と言えるでしょう。
ルアーがベイトに見えないないとき、またエラアタックで異物感を読み取った時、また完全バイトして掛けられ、命からがら逃げた経験などからルアーを学習しつつあり、
不信を抱いているとき、そんな曖昧な疑念と興味の間を彷徨っている時にエラアタックを仕掛けるのでしょうね。

要は、
彼らは安易には噛まないのですね。
「でもガンガン入れ食いだったよ!」、というのは完全バイトモードに遭遇した幸運な一例に過ぎないのです。
食わずに水底から見送られているケースでは魚のいない状態と同じですから報告されることがありません。
いつも言いますが釣果は釣れた時にしか報告されないのですね。
ですからショートバイトからのスレ掛かりによるバラシが完全バイトだったと誤解されたり、
無視されていたのに「ターゲットはいなかった・・」というレポが報じられたり、事実は検証できないまま背後に隠れ、周囲を混迷させている場合もあります。
フィーディングモードは予測しにくい複雑な理由からもたらされる波模様の一瞬の輝きなのでしょうね。

重複説明になりますが・・・
エラアタックはスレ掛かりという曖昧なヒットを引き起こすことが多々あります。
エラアタックというファジーな攻撃であっても一瞬ですが魚体とルアーが高速で接触するために針が不完全に掛かってしまうことがあるのですね。
特に魚体反転時の水流の関係なのか背中の中央部や頭頂部にスレで掛かる事が多いのです。
いや、これもランディングされたケースではこの部位が多いと言うことですね。
他の場所にも掛かっているのでしょうが魚体を確保しきれないために報告されないのでしょう。

ボーグでのフックアウト
完全バイトによるヒットとスレ掛かりによるヒットとは前述のように識別できませんからアングラーはスレフッキングも完全ヒットと誤解しがちです。
このスレフッキングは口の内側ではなく魚体の体表に不安定に張り付くために極めて外れやすいのです。
ボーグでももちろんこのスレフッキングは起こります。
ただしクラッチ機能が働けば通常ルアーよりも高い確率でランディングされますがやはり口の内側を基点にクラッチした時のような確率は得られません。
アワセが弱かったとか思案に暮れるボーグ・マンさんもおられますがご心配なく、ボーグでバレたというケースの殆どがこのスレフッキングによるものと考えられるのですね。
というのもクラッチフッキングがサポートするために引き合いに持ち込まれるケースも多く、ユニットも離脱しているにも関わらず途中からのブレイクではなおさら誤解を与えがちなのですね。
通常ルアーはもっと早い段階で外れると考えられるので諦めがつきやすく報じられるケースも少ないのでしょう。

ボーグでの完全クラッチフッキング
口による完全バイトからの引き合いではエラ洗いを含め、魚からのあらゆる抵抗に対してボーグは非常に強い捕獲力を発揮します。
先日のブルーランナーさんからのレポにもありましたが他の通常ルアーの使用者が全員バラしてもボーグ使用者が全ヒットをランディングしてしまうケースがあるのですね。
これはまぐれではないのですよ。
この差は現場を体験された方にしか実感して頂けないものですが私もしばしば経験しています。

スレ具合と、フィーディングレベル
食い気が立っていない状態とスレが進んでいる状態は似ています。
しかし両者には違った展開があります。
食い気が薄くても群れで移動している場合などは少しでもルアーに反応した個体が一部にあるとそれに他の個体が触発され互いに反響しあって競争になり、結果負けじとアタックしてきて完全バイトに至るケースもあると思われます。しかしスレているケースでは群れでいても反応は高まらないようです。
何をやっても無駄な場合が多いです。
何らかの警戒信号が群れの間に流されていることも推測されるほどです。
この信号は、仮にですが「ベイト以外の全てを否定せよ!」という意味の信号であれば納得できるような完全な沈黙に陥ります。
こうなるとワームだろうがポッパーだろうがバイブレーションだろうが手が付けられません。

エラ蓋の先にはなぜトゲが付いている?
鱸のエラの先端の鋭いトゲが意味も無く付いているはずがないのは当然として、それが縄張り争いや他の魚種、他の生物との戦いにおける武器になるのは間違いないと思います。
同時に興味を惹きつけるものがベイトなのか非ベイトなのかを確認したり、さらにはベイトだった場合に食いやすくするために弱らせるための攻撃用の爪でもありえるでしょう。
つまりあのエラ蓋は頻繁に活用されているはずなのです。
我々アングラーから見えない領海では彼らは自由に振舞っているはず。
我々が見てとれるということは既に彼らに違和感を与えているということです。
不確定性理論の経過に似ていますね(笑)
自由な振る舞いの中で彼らがルアーとどう接しているか興味は尽きません。


総論
この山本の独断的推論の根拠は平鱸がサラシの中で反転しながらコツッとアタリだけをのこしてゆくシーンを何度も目撃している事です。
そして、それにも増して見えない位置で頻発するショートバイトの、あの全てがルアーを口に含んでから吐き出しているものだとすれば、そのフックから口を開放する能力があまりに凄過ぎると思うからです。
そう思いませんか?
針の付いた通常ルアーや遊動ルアーを口で噛んで、その後に吐き出しているのがショートバイトだとすれば、
それをあの頻度で成し遂げているとすれば・・・
それは神業でしょう?

「噛んでなどいない」とすれば自然なのです。
さらには前進しながらエラ蓋で叩き、同時に前回りに反転すれば針を背中や頭部でなでることになりやすく、そこに掛かることも予測しえますから・・・。

もちろん確証はありません。それはご了解ください。
その上で、「コツッとくるのに乗らない・・・」その理由をこんなふうに考えている山本です。

自然に生息している生き物との交信は奥が深いですね。
ジャンクションさん、いかがでしたか?
何かヒントになることがあれば幸いです。
全て個人的推測に過ぎませんが間違いがありましたら山本のうお座生まれに免じて許してくださいね。

今後のご活躍に期待しております。
sukekiyoさんもよろしくお願いいたします。

ご両人さま、遊動ルアー、フルに働かせてやってください!
今後ともよろしくお願いいたします。


ボーグ山本より





齋藤さんレポ  ダイレクトリンク

ボーグの使いこなし あれこれ・・・・・

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